
ムーミンは竜を見つけた。
竜を手なずけて(自分の竜にしよう)と思った。
だけど、竜はムーミンに支配されることを嫌い、ありのままの自分を認めてくれるスナフキンにベッタリになってしまった。
竜に嫌われたムーミンはすっかり落ち込んでしまう。
ムーミンよりスナフキンを選んだ竜はスナフキンから離れようとはしない。
スナフキンはムーミンの苛立ちや哀しみを感じとり、こっそりと竜に(ムーミンのことも考えてやりなよ)と言う。
スナフキンはムーミンに気づかれないうちに竜をジャコウネズミに引き渡す。
自分から引き離したのです。
(竜はスナフキンのことが好きだからスナフキンを追いかけて来たでしょう?)と聞くムーミンにスナフキンは(竜は自分のことなど好きじゃないのさ、竜はここには来なかったよ)と優しい嘘をつく。
どんなに大好きでも、大切でも、恋人、風物詩、親兄弟、親友であっても相手の心まで支配してはイケナイ。
本当の愛とは個を認め、個がイキイキ生きられるように寄り添うことです。
※ムーミン物語の素晴らしさはココです。
スナフキンは竜を支配しようとするムーミンを注意もしないし、諭しもしない。
もちろんムーミンの行動を責めもしない。
(竜は自分で飛んで餌を捕まえるのさ)などの些細な言葉しかムーミンには言わない。
ムーミンが自分で善悪に気づき、学ぶことをじっくりと待つのです。
ムーミン谷の住人はスナフキンだけではなく、誰もが他者を批判しません。
個を認めて、共存共栄しているのです。
どんなにヘンチクリンでもバカにされることもなく、どんな生き物でも自分の居場所があり、卑屈になることはないのです。
これって、簡単なようで実はとても難しいのです。
…無関心ではなく、いつでも寄り添っているのですからね。